自然栽培米作りでの驚くべき除草方法|熊本県和水町の菅原陽介の八神米

更新日:2022年5月30日 公開日:2021年9月14日

菅原陽介の水田

こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。

自然栽培米作りでは、除草剤を使用しません。
そのため、頭を悩ますのが「草の問題」です。

今回は、熊本県和水町で無農薬・無肥料で自然栽培米を育てている菅原陽介さんのに除草方法に関して伺いました。

菅原さんの草対策は、田植え前の代掻きから始まると言います。

代掻きから始まると聞いてもピンとくる方は少ないと思います

「自然栽培米作りで頭を悩ます草対策をどうされているのか?」詳しいところを聞いてきましたのでご覧ください!

まずは、こちらの動画からご覧ください!

【自然栽培米作りでの除草方法とは!?】

※八神米|自然栽培米作りでの除草方法とは!?(動画時間 3:17)

代掻きから始まる除草方法とは?

代かき

「代掻き」とは、農作業をする方でないと聞きなれない言葉かもしれませんが、稲作では重要な作業です。

田植えをする前に、熊本では4-5月頃に乾いた田んぼを耕す「田起こし」をします。その次の作業として田んぼに水を入れて土を砕いて均平にする作業を「代掻き」と言います。「代掻き」の代とは「泥」の意味です。
田植え前の下準備のひとつで、稲をしっかりと育てるために重要な作業となります。

一般的な代掻きでは、上の写真のように水をダブダブに張ってやることはないのですが菅原さんの場合は、代掻き時に水をたっぷりと貯めて行うとのことです。
はた目から見ると、それは代掻きされてるのか何なのか分からないくらいだと言います(笑)

そうすることで雑草の種が水面に浮かんできて、それを網ですくったり、流すようです。
なんと、これだけで7~8割の草の種が除去できるのだそうです!

私は、自然栽培米農家さんによく除草方法を伺いますが、代掻き時に草の種を流すというのは初めて聞きました。

残りの草対策はジャンボタニシに任せる

ジャンボタニシ

では、残りの2~3割の草はどのように対策をしているのでしょうか?

ここで登場するのは「ジャンボタニシ」です。
一般的に「ジャンボタニシ」は稲の苗を食べる有害動物に指定されており、一般の米農家さんは排除することを考えています。「ジャンボタニシ=敵」という関係です。

しかし、菅原さん曰く、「ジャンボタニシ」は雑草を食べてくれる、と言います。

おもしろいですね!1984年頃から日本の水田に入り込んでしまった「ジャンボタニシ」。一般には有害動物として全面敵視されておりますが、菅原さんにとっては、一部除草を手伝ってくれるありがたい存在なのです。

しかし、ジャンボタニシと付き合うには、ちょっとしたコツが必要なんですね。

ジャンボタニシと付き合うには徹底した「田んぼの水管理」

自然栽培米農家菅原陽介

「ジャンボタニシ」が苗を食べる害虫になるのか、除草係になるのか?

この分け目は、田植え後1ヶ月の「田んぼの水管理」が重要になります。

田んぼの水面がジャンボタニシ甲羅(殻)よりも高いと、稲の苗を食害しますが
甲羅(殻)のてっぺんよりも低いと、「食害」することはなくなるというのです。

つまり、深水か浅水かの管理がキーとなるのです。

実際に菅原さんの田んぼを見た時にほぼ草が生えていないのですね。
菅原さんも、「田植え後は、ほぼ田んぼに入らず、ほとんど水管理だけですね」と仰っていました。

まとめ

今回は、菅原陽介さんに自然栽培米作りで問題となる草対策に関して伺いました。

主には、下記2つでした。

1) 代掻き時に草の種を流す
2) ジャンボタニシによる除草

田植え後に、除草のためにほぼ田んぼに入らないというのは驚きです。

また、ジャンボタニシの捉え方も一般の米農家さんとは異なるのですね。

1984年に有害動物に指定されたジャンボタニシは、「稲の苗を食す害虫だ!」と決めつけられています。しかし、田んぼに既に存在しているジャンボタニシとどう付き合うのか?この受け入れからの発想ですね。

ジャンボタニシの習性を理解して、水管理により環境を作ってあげることで、ジャンボタニシは除草部隊の一員です。

無農薬に挑戦する人は、除草剤を使わない代わりに工夫と知恵を使っています。無農薬栽培でありながらもほとんど雑草の生えない仕組みを作っている菅原さんには感心します。

菅原自然栽培米ヒノヒカリ・くまさんの力はこちら

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