「自然の調和」を感じる-自然栽培米農家の世界観
こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。
経済が発展するにつれて、私たちの生活は徐々に自然から離れてきました。自然から遠ざかる生活ほど、私たちの心や体は不自然になっていきます。
自然を尊重しながら農業をする「自然栽培」の農家さん達は、自然を身近に感じる生活を送っており、感受性が強い方が多いです。
今回、親の代から20年以上にわたり自然栽培を続ける熊本県菊池市の冨田家の長男、冨田和孝さんに「自然から学んだこと」について伺ったところ、「自然の調和」に関してお話し頂きました。
自然栽培米農家さんが、自然栽培に携わる中で何を自然から学んだのか?この学びが皆さんの人生に役立つヒントとなれば幸いです。
自然栽培米農家・冨田和孝さんとは?
今回お話をいただいた熊本県菊池市の冨田和孝さんは、親の代から20年以上にわたり自然栽培米を作り続けています。
熊本は、自然栽培に取り組む農家さんのが多いのですが、その中でも冨田家は先駆者的な存在です。
和孝さんは、幼少期から自然栽培の世界に触れて育ち、自ら食べる食材から子育てに至るまで薬に頼らず、自然を尊重した生活を実践してる農家さんです。
「自然栽培」の考えをそのまま実生活にも落とし込んでいる貴重な農家さんの一人です。
現場で見る「自然の調和」とは?
※上写真:肥料を使用していた左側の田んぼでウンカが大繁殖し、右側の冨田さんの田んぼにも侵入してきた写真。冨田さんの田んぼでウンカの繁殖を食い止めた。
冨田さんに「これまで自然から学んだ事は何か?」と尋ねると「自然の調和」だと仰いました。
冨田さんが大切にしている言葉に「調和が調和を生み、不調和が不調和を生み、それが自然の大調和」というものがあります。
自然栽培の世界では、肥料自体が不調和を生むと言われています。肥料の質と量が影響すると思いますが、実際に肥料の使用を間違えると上写真の左の田んぼのようになります。
また冨田さんの田んぼは他の一般的な田んぼと異なり、生物の多様性が非常に豊かです。虫の数も種類も多いのですが、実はそのために病害虫の被害が少ないのです。
これが自然の調和が保たれている状態であり、さまざまな生物が協力し合って一部の病害虫の広がりを抑制しているのです。
「自然の調和」の考え方を人生に生かす
自然栽培米の現場を見て「自然の調和」を感じている冨田さんは、自分の人生全般の起こる事に対して、心が乱れることが少なくなったと言います。
冨田さんは動画の中でも仰っています。
「自然栽培を学べば学ほど、人も環境も天候もむやみやたらに責めなくなった」
人は、不都合な出来事が起こると、自分を守るために他人や環境のせいにしたくなります。
冨田さんは、全ての出来事は自分の責任と捉え、どう対応するかを意識しているようです。
他人や環境のせいにするとそこに自己成長はありませんが、自分の責任と考えた場合、自分自身の改善点を探し、一歩進化することができるのですね。
自然の調和とは?
自然栽培米作りを通して実際に感じた「自然の調和」に関してお話し頂きました。自然栽培米農家さんの世界観を少しでも垣間見て頂ければ幸いです。
まとめ:「自然の調和」を意識する
自然栽培米の水田を長年観察してきましたが、一般常識とは異なる現象が広がっています。
「農薬や肥料が必要という一般常識は本当か?」と疑問が湧いてきます。
冨田さんの自然栽培水田では、病害虫の被害が広がらず、生物の調和が保たれています。田んぼが少し痩せたかなと思うと、翌春には自然とクローバーが生えて土に栄養分が供給されることもあります。
人間の手が入っていない原生林を見てわかるように自然界は調和しているのです。
この考え方は、私たちの人生全般にも活用できます。
自然が調和しているということは「人生で起こる事は、全て調和に向かっている」と言えるでしょう。
不自然な事をすると不自然な事が起こるので、それは、マイナスではなく見直す気付きです。病気などはまさにそのいい例かもしれません。
この世にプラスもマイナスの出来事もなく、ただ起こっているだけで自然の調和の一部です。その出来事から何を見出すかはあなた次第なのかもしれません。