自然栽培米、有機栽培米、無農薬米の比較と見分け方

自然栽培米の稲

“安心安全のお米”とよくうたわれている自然栽培米・有機栽培米・無農薬米。

それぞれのお米は人の体や自然環境に良い“特別なお米”というイメージがありますね。
しかし、呼び方が異なるということは、栽培方法が異なるということです。

栽培過程を知らない消費者である私達からすれば、それぞれのお米にどれほど農薬や肥料が使われているか、見た目だけでは知り得ません。

いろいろな栽培方法があり、私たち消費者を混乱させているのが現状ではないでしょうか?

今回はこの記事で自然栽培米、有機栽培米、無農薬米の違いを知って頂ければと思います。

自然栽培米、有機栽培米、無農薬米それぞれの特徴

升に入ったお米

【①自然栽培米】

自然栽培米は、一番シンプルです。農薬や肥料を一切使用せずに作られるお米です。稲の成長を支えるのは、日光・水・土という自然の力のみ。

農薬や肥料を使用しないと、お米はできないのではないかという懸念もあります。確かに、無農薬・無肥料の栽培は生育や収量に影響します。自然栽培を始めた当初は、虫の被害や減収など苦労を重ねる農家さんも多いですが、土作りを年々続けることで環境が整い、収量も徐々に安定してきます。栽培条件が揃えば、農薬や肥料を使用せずともお米は育ちます。

収量としては、一般の慣行栽培(農薬・肥料使用)の5-6割程度のためほとんど取り組む方はいません。

自然栽培の思想では、農薬や肥料は、人の都合で作っており、それぞれ薬毒、肥毒があると考えられております。

そのため、田んぼの外から持ち込む農薬と肥料は不自然な物質と捉えて使用しません

アシナガグモ

【②有機栽培米】

有機農業は、有機農業推進法第2条において「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しない」と定義づけされています。

つまり有機栽培米は、化学肥料は不可でも自然由来の農薬と肥料は使用が認められている栽培で生まれたお米です。

有機栽培の有機とは、ボカシ肥、堆肥、厩肥などを示します。肥料の原料は、植物性、動物家畜糞や米ぬかなどさまざまで、これらの有機物を使用した栽培を有機栽培といいます。

収量としては、一般の慣行栽培(農薬・肥料使用)の7-8割程度となっております。

栽培にあたっては、農水省認定の機関に届け出が必要となります。原則として化学農薬・化学肥料を3年以上使用していない農地で行わなわなければなりません。販売にあたっては、農水省が設けている「JAS有機認可制度」の基準を満たす必要があります。第三機関の認定として、有機JASマークがついているかは判断基準の一つです。

有機JAS

【③無農薬米】

無農薬米は文字通り、農薬を使用せずに作られたお米です。

「無肥料」ではないので、化学肥料などを使っても無農薬栽培といえますが、販売にあたっては「無農薬米」と表記することはできません。

その年に無農薬で栽培したとしても、昨年まで農薬を使用していれば、土の中に残留農薬が混じっている可能性があるため「無農薬米」とはっきりいえないからです。「栽培期間中農薬不使用」という表現が適切でしょう。

農薬を使用しないので有機栽培と似ていますが、有機栽培とは違い認証制度はありません。しかし「無農薬米」とも表記できないので、有機栽培とどちらが安全なのか、判断がつきにくいところです。

無農薬米表示できない

【④番外編:特別栽培米、減農薬米、低農薬米】

有機栽培米の基準は満たせないけど、農薬や化学肥料を一般より減らしたという場合、別の名称を設けております。
特別栽培米の定義としては「農薬を撒いた回数と化学肥料の窒素成分量が通常の栽培の50%以下に抑えて育てられたお米」としています。
通常の栽培の50%以下となっており、通常の基準量は、地域によって異なります。

無農薬米と並んで、減農薬米・低農薬米もよくききますが、この2つのお米は、全く農薬を使用していないということではなく、農薬を減らして栽培をしたお米のことです。そして、肥料については問われていません。有機栽培のような認証制度もないので、これらのお米の表示についても「特別栽培」の枠内にあります。

自然栽培米、有機栽培米、無農薬米の3つを比較して分かる違い

米栽培の比較

以上3つのお米の特徴について述べましたが、表で比較してみると違いがわかります。

共通点は、化学合成された農薬を使わないということです。

各栽培方法の違いのまとめ
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・自然栽培米は、農薬も肥料も一切使用しません。

・有機栽培米は、天然由来の農薬と有機肥料の使用が認められている。

・無農薬米は農薬は使用しませんが、化学肥料の使用は問われません(無農薬米という表現はできませんが)。
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いろいろな栽培方法が、世の中にはあり、私達消費者を混乱させている一面もあります。

お米を選ぶ基準として、
「とりあえず安いお米が欲しい」
「なるべく安全で安いお米が欲しい」
「安全にこだわったお米が欲しい」と人それぞれ異なります。

今回は、「安全にこだわったお米が欲しい」方向けにナチュラルスタイルの井田の考えをお伝えします。

結局、私たちにとってどれが安全なお米なの?

自然栽培米弁当

私たちナチュラルスタイルが考える安全な食べ物、それは、200年前にもあった食べ物です。

結論的に言うと、「自然栽培米」だと考えています。

それでは、200年前の江戸時代に私たちが食べていた農産物は、どのように育てられたお米だったのでしょうか?

まず、明治時代に西洋から入ってきた農薬や化学肥料はございません

肥料に関しては、その地域で有機物を循環させていました。
江戸時代の肥料学には、次のことが記載されております。
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※田畑を肥やすものとして、緑肥、草肥(堆肥)、灰肥(草木灰)、泥肥(池の底に溜まった土)の4種類がある。

※草肥をよく腐らせて細かく切り返し、人糞尿をかけて、天日干しさせた物を元肥として使用する。
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この肥料の特徴は、地域の有機物が循環していることです。
当時の人間の人糞尿には価値があり、不自然な物質も含まず、発酵を促すには良い材料だたと思います。

しかし、現代の肥料に関しては、不自然なものが含まれることが多々ございます。

家畜糞を入れる堆肥や厩肥は、家畜にどのようなエサや抗生物質を使用しているのか、それが田んぼに入るので影響を無視できません。

有機栽培で有機物を使用する方の考え方には2種類あると感じてきました。

一つは、正直、「収量を増やすため」
有機肥料という栄養を入れることで増収を目的とする。

もう一つは、「土壌微生物を豊かにして土の力を最大限発揮するため」

後者の方は、植物性の有機物を発酵させて使用している方が多いです。
しかもご自分の田畑の周りの草を使用していて
外部から多量の有機物肥料を投入していません。

つまり、有機栽培米といっても農家さんによってできるお米は異なります

素晴らしい有機栽培米を作られている方もいますが
その栽培方法を一年を通して見ないと分かりません

私たちナチュラルスタイルが、本来のお米として「自然栽培米」をすすめている理由は、最も不自然な物質が田んぼに入らないためです。

自然栽培米の肥料となるのは、収穫時に粉砕された稲わらや自然に生えてくる春草などでその田んぼの有機物を土に返すのみです。

粉砕稲わら

安全にこだわった食べ物を選びたいという方は
農薬と肥料という2つの視点から商品表示や農家さんに確認すると良いでしょう。

「農薬を使用しているのか?」

「肥料を使用しているのか?
使用しているなら植物性なのか動物性なのか?」

実際に農家さんに会いに行ったり、聞いてみたりしないと分からない点もありますが
商品の表示には、最も伝えたいことを記載するので
商品ご購入時の表示を気にされると良いでしょう。

自分の体は、自分の食べた物でできています。
ご自分の体を作る食べ物を選ぶ判断基準としてお役に立てればと思います。