自然栽培米農家が考える農薬のメリットとデメリット

更新日:2024年3月26日 公開日:2021年5月21日

植田氏の話

こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。

熊本県玉名市で無農薬・無肥料の自然栽培米作りに取り組んでいる植田秀幸さん。
実は、「農薬管理指導士」という資格を持っていらっしゃいます。(いろんな資格がありますね)

稲作において、戦後に「農薬」が登場してきます。
戦後は特に食糧不足という状況下の中、安定して農産物を供給することが急務とされました。
そんな時に農薬は、その存在価値を築きあげたわけですね。

「農薬管理指導士」の資格を持つ植田さん。
今は、無農薬・無肥料の自然栽培で米作りをされています。
なぜ、無農薬の道を選んだのか?そこに重要なポイントがあるのかもしれません。

自然栽培米農家に伺う
農薬のメリット・デメリット

農業経験50年以上ある植田さんに農薬のメリット・デメリットをお話して頂きました。
植田さんは20年以上農薬を使用していませんがその理由もご覧下さい。

農薬のメリットって何?

農薬散布

農薬を使用するメリットとして
植田さんは、作物が小さい時に農薬を使用することで、病気や害虫を駆除して、ある程度生育を守ることが出来ると言います。

農薬の主なメリットを挙げると

1) 病害虫や雑草による収量の減少を防ぐこと

2) 労働力の軽減

戦後の食糧不足や人口増加に伴い、食料生産の効率性が求められた中で農薬は貢献してきました。

農家にとって大変な作業の一つは、除草作業です。

この除草作業時間も戦後の農薬の発展と共に減ってきました。

除草作業時間
参考出典:農薬はなぜ必要か

農薬を使用する事で労働時間を減らせて、かつ病気や虫食いなどの損傷がない農作物が効率良く収穫できるようになりました。

市場では外観の良い作物が高値で取引されるので農薬は必須のものとなってきました。

農薬のデメリットとは?

農薬

効率的な農業に貢献している農薬ですが、デメリットは何でしょうか?

農薬のデメリットは主に下記となります。

1) 健康負荷

2) 環境負荷

3) 使用後、ずっと必要になる

4) 持続可能な農業が難しくなる

植田さんやその他の農家さんの話で出てくるのが、農薬中毒の話です。

農薬の被害を一番受けているのは、実は農家さん自身ではないかと思います。

これまで私が話をしてきた農家さん達で、実際に農薬散布後に気分が悪い、めまいがする等言われている方が少なからずおられました。

また、植田さんのインタビューで話していた「キレやすい子ども」が増えているという話に関しては、殺虫剤(昆虫の神経系に作用して効果を現す薬剤)が人の神経系にも作用するのではと懸念されています。

下記の考え方は、一つの参考になるかと思います。

出典:農薬がキレやすい子供を作る? 〜子供には毒の農薬〜【CGS 予防医学】

熟練の自然栽培農家さんと話をしていると
50年ほど前に一気に川魚やホタルが減ったと言います。

当時は農薬を多量に使用している時期だったのであからさまにその変化が分かったようです。

農業で最も大事なのは「土作り」といわれています。

その土作りの立役者であり生態系の土台は「土壌微生物」です。

農薬はこの土壌微生物を殺してしまうので、持続的な農業が困難になります。

現在の農薬は、安全性が確かめられているという意見もありますので、どちらでも自分の心地良い方で選ぶと良いですね。

植田さんは何故、無農薬の選択をしたのか?

植田氏と井田氏メモ

植田さんは、50年の農業経験をお持ちですが、最初は当然のように農薬を使用していたそうです。
そんな折、ご近所の農家さんが「農薬中毒」になったという話を耳にします。

「体にいいわけないんだよな…」

そこから徐々に農薬の使用量を減らしていって、20年以上前には完全に無農薬栽培に切り替えました。

農薬使用をやめていくにあたって周りの人からは何か言われることはなかったんですか?と伺うと

「それは多少なりありましたよ」と^^;

しかしながら、よく考えてみると稲作において第二次世界大戦前までは農薬を使用していなかったのです。

日本において農薬が普及したのはここ75年くらいの間です。

そうであるならば「当時の農業をやれば農薬を使わなくて済むんじゃないか?」
この発想と実践でこれまでやってこられました。

まとめ:農薬のメリットとデメリットとは?

植田さんとお米1

今回は農薬のメリットとデメリットを見てきました。

農薬の主なメリット

1) 病害虫や雑草による収量の減少を防ぐこと

2) 労働力の軽減

農薬のデメリット

1) 健康負荷

2) 環境負荷

3) 使用後、ずっと必要になる

4) 持続可能な農業が難しくなる

農薬が良い悪いの話ではなく、農家さんの価値観によって異なってきます。

厚生労働省が設けている残留農薬基準値があり、それ以下であれば健康への悪影響はないとされています。
しかし農薬管理指導士の資格を持つ植田さんは、これまでの実体験から20年以上農薬を使用しない方を選択しています。

そして今、子どもたちに本物のお米を体感してほしい、健康的な身体作りに役立ててほしいとの想いで植田秀幸自然栽培米を幼稚園や全国の方にお届けをしています。

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