自然栽培米農家さんにとって苗作りとは?

更新日:2024年5月27日 公開日:2023年5月30日

冨田自然栽培米苗

こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。

5月中旬頃から徐々に暑さを増してきていますが、本格的にお米作りのスタートです。この5月に米農家さんは大事な作業を行います。

それが、米農家さんが一年で一番緊張し集中するという「苗床作業」です。

自然栽培米農家さんにとって、この苗床作業とはどのようなものなのでしょうか?

米農家さんにとって最も大事な「苗床作業」の現場の状況を一緒にご覧頂ければと思います。

一年で一番集中する苗床作業

冨田和孝の自然栽培米苗床

全国的に5月頃になると上の写真のような風景を田んぼで見ることがあると思います。これは、米農家さんにとって最も大事な作業をしているところです。

今回は、熊本県菊池市で自然栽培米作りに20年以上取り組んでいる冨田さんの苗床作業の現場を取材させて頂き、冨田さんにとって「苗床作業」とはどのようなものなのかを伺いました。

冨田さん曰く「苗作りは米作りの中でも一番大切で、一番緊張して、一番集中して、一番怖い作業です」とのことでした。

4/15頃から種籾の選別を開始して5/20頃に苗床作業をしますが、この間ずっと、緊張感があり、失敗したらどうしよう・・・という恐怖感もあると言います。

この苗作りの出来によって秋の収穫量に影響を及ぼすので失敗ができない緊張感のある作業なのです。

冨田さんがこの苗床作業で大事にしているポイント

自然栽培米苗床作業

種まき後の「苗」は人間で例えるなら「赤ちゃん」のような状態です。

「赤ちゃんを抱っこするように優しく運ぶこと」これが冨田さんの苗床作業で毎年言われていることです。
人間と同じように「苗」に接するということなんですね。

そこにもう一つ加えて、苗床作業の時は「喧嘩をしない」ということを心掛けている、とのことです。
喧嘩をすると、その雰囲気(負の波動)が苗に伝わってしまう可能性があると。

子育てしたことのある方なら実感もあると思いますが、実際に赤ちゃんや子どもは非常に敏感です。
子どもは敏感に感じ取っていて、病気をしたり体調不良になることもあります。

それと「疲れた」という言葉を言わないように意識しているようです。

何気ない「疲れた」の一言かもしれませんが、苗だけでなく周囲の一緒に働いている人にもマイナスの影響を与えるので避けている、と仰います。そして、何より自分自身にこの言葉を入れないようにしているのです。

「言霊」など目に見えないところまで配慮されているんですね。
実はこれ、多くの自然栽培米農家さんが意識されています。

目指している苗作りとは?

冨田自然栽培米の苗

「苗半作」という言葉がある通り、苗の出来具合の良し悪しでその年の収量が変わってきます。
そのため米農家さんは苗作りにはものすごく神経を使います

もし弱い苗ができると田植え後にジャンボタニシに食べられやすくなり、欠株になり収量が減ります。

ジャンボタニシの食害を受けにくくするためには、大きくて硬さのある苗が理想です。そのような苗を作るために神経質になり、ピリピリすることもあると言います。

しかし近年、冨田さんは苗作りに関して心境の変化があったといいます。

大きくて硬さのある苗に固執すると、自分の心の状態を平穏に保つことが難しくなります。そこで、「丈夫で健康な苗作りを目指しつつも、失敗をしない健康な苗作りを目指す」と許容範囲を広げるようにしたと言います。

最後に:自然栽培米農家さんにとって苗作りとは?

冨田和孝の自然栽培米

「苗作り」はどの米農家さんにとっても、一年で一番緊張感と集中力を必要とする作業です。

今回、実際に冨田さんにお話をお伺いして、技術的な事も大事にしていますが、いかに自分のメンタルを平静に保つかに集中していると感じました。

ご自身の波動が稲にも伝わってしまう、その感覚を持たれて苗と接しているのですね。

苗床作業の間は、家に居る時も喧嘩しないように心掛け、「疲れた」も言わないというのは、まさに子育てと同じで苗=赤ちゃん・子どもと見ているためです。

「大きくて硬くて頑丈な苗じゃなければいけない」という凝り固まった概念も考え直し「健康な苗作り」に焦点を当てたところも「子供はこうあるべきだ」という押し付けではなく、「子供の個性を許容して健康に育てる手助けをする」という子育ての感覚に似ていると私は感じました。

まさに自然栽培米農家さんにとって苗作りとは子育てと同じなのですね。

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