八神米|自然栽培米の田植えのポイント-菅原陽介
こんにちは!自然栽培専門店ナチュラルスタイルの井田です。
熊本県和水町の菅原陽介さんは無農薬・無肥料の自然栽培米を作られています。
その菅原さんの田植え後の風景を見てみると他の田んぼとはちょっと様子が違うことに気付きます。
菅原陽介さんが自然栽培米の田植えの際に気を付けていることとは何なんでしょうか?
ちょっと様子が違う田んぼの気になる点について、直接話を聞いてみました!
<目次>
菅原さんの田んぼは「疎植」
イネ科作物の茎の枝分かれのことを「分けつ」と言います。
苗は成長すると分けつしていくので、そのスペースを確保しておく必要があります。
田植え後の苗が点々と植えられているのには、このような理由があるんですね。
この苗と苗の間はどれくらいのスペースを保っているのでしょうか?
慣行栽培米では株間(かぶま)を15~18㎝というのが一般的なようですが
菅原自然栽培米では、26cm間隔で植えています。
この苗の間隔を広くあけて植えることを「疎植」と呼ぶのですね。
菅原さんが田植えの際に一番注意しているポイントとは
「密植させないこと」だと言います。
「疎植」をすることで、どんな風になるの?
密集して植えた方が、たくさん収穫ができそうだけど、「疎植」をすることによって、どのような効果が得られるのでしょうか?
「疎植」する理由
・株元が太くなる
・茎の一本一本が太くなる
・風通りが良くなって、害虫・病気を予防することが出来る
稲が丈夫で元気に育てば、人の手を借りずとも稲自身の力で強く育ち
結果、田んぼ全体も元気に健康的になっていきます!^^
逆のことをすればどうなるのでしょうか?
「疎植」ではなく「密植」にすれば、当然反対の出来事が起こり得ます。
株元、茎は細くなり、陽の光も当たりにくく風通しも良くない。
結果、稲の体力が乏しくなって、害虫も自力で跳ね除けられなくなるので農薬や肥料に頼る、というスパイラルに入り込む可能性が高くなるわけです。
「疎植」したら収量が減ってしまうのでは?
疎植にする事で、収量に関してはどうなるのでしょうか。
自然栽培米は、肥料を使用しないので、どうしても慣行栽培米と比べて6~7割程度に落ちてしまうのに「疎植」なんてしたら、ますます収量が少なくなってしまうのでは?
と思ってしまいますが、実はそうでもないと菅原さんは言います。
「疎植」をすることで、先にも述べたように
苗はのびのび、すくすくと育ち、陽の光をたっぷりと浴びて
太く強く逞しく成長して立派で丈夫な稲になります^^
ただデメリットとして、雑草が生えやすくなる環境になります。
しかし、菅原さんは除草剤を使用せずに田んぼを管理して草対策もされています。
自然栽培の田んぼには、たくさんの生き物たちが住んでおり、ジャンボタニシが雑草の除草係を担ってくれるんですね。
他の昆虫たちもウンカなどの害虫から稲を守るお手伝いをしてくれます^^
稲自身も丈夫でたくさん分けつして、自然の仲間たちが協力してくれるので収量は安定しているのですね。
おまけ-葉っぱの色は濃い方が良いのか?
稲の葉っぱの色は濃緑だと生育が良い!みたいな気はするかも知れませんが実際はそうとは言えません。
緑色が濃ければ濃いほど成長が良いというわけではなく、「葉緑素」が多いかどうかということであってそこには「肥料」を与えているかどうか?ということが関わってきます。
「濃すぎる」というのは、病気や害虫を寄せ付ける原因になってしまいます。
「適度な色」を保つことが病害虫を予防する行為につながっていきます。
何でも「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ですね。
常識を疑うことは、ひとつ氣に留めておかなければいけないことです。
「菅原さんの田植えで気を付けているポイント」の動画はこちら
熊本県和水町の自然栽培米農家菅原陽介さんに田植え時に気を付けているポイントを伺いました。