無農薬・無肥料での栽培において土壌作りがとても重要である理由
今日の農業では、化学肥料や農薬、畜産糞尿雑肥などが使用されます。
これらは、農作物の効率的な生産や安定的な供給のために欠かせない存在です。
戦後、化学肥料や農薬の開発が進み、農業使用に一般化したことで、わたしたちの食は豊かになりました。
しかし、昨今では以下のリスクが指摘されています。
- 地下水の汚染
- 土壌の養分バランスの悪化
- 農作物の品質低下
加えて、農薬中に含まれる化学物資によりさまざまな不調が起こる環境病、「化学物質過敏症」に苦しんでいる人もいます。
このような事例を背景に脚光を浴びるようになったのが、農薬のみならず肥料さえも使わない「自然栽培」です。
参考:農林水産省「環境を保全する」
参考:特定非営利活動法人「化学物質過敏症支援センター」
自然栽培には肥沃な土壌が必要
食は、生きるために欠かせない習慣であり、健康の基本です。
わたしたちの体は、食べたもので作られます。
どんな食べ物をチョイスして口に運ぶかは、自分自身の人生にも大きな影響を与えるのです。
だからこそ、命の源である食をつくる農業は、とても重要な役割を担っているといえます。
そして、わたしたちの体を作る農作物が育つには、肥沃な土壌が必要です。
肥沃な土壌とは、土地がよく肥えていて作物が良く育つ土をいいます。
しかし、農薬や化学肥料を大量に使用すると土壌が汚染され、農作物の生育や質に影響を及ぼす可能性があります。
それだけでなく、農薬や化学肥料は土壌を通って地下水に浸み出すおそれもあり、水質汚濁のリスクも生じます。
(画像出典:農林水産省「農業生産活動に伴う環境影響について」)
母なる大地というように、肥沃な土壌はあらゆる生命を生み出す自然の「子宮」です。
これは、自然栽培をする農家さんにとって非常に大事なポイントです。
土は生きている-土壌の生物量
肥沃な土壌を作るために「腐植前駆物質」の水溶液が用いられることがあります。
これは、有害物質を含まない有機質を原料として微生物により産生された水溶液で、窒素分が少ない抗酸化力の高い土壌改良を目的に使用されます。
飲料基準にも合致するほど安全性が高く、自然栽培を行う前段階でも必要に応じて用いることがあります。
しかし、やはり大切なことは「土壌の生物量」です。
これこそが肥沃な土壌の絶対条件といえます。
つまり、生きている土、生物としての土が最も大切なのではないか、ということです。
肥沃な土壌には、多様な微生物が活発に生きています。
(画像出典:農林水産省「土壌の力と微生物の働き」)
そのような土壌では残留硝酸態窒素が少なく、美味しい作物が育つという研究結果があります。
また、病原菌が棲みつきにくく、作物に十分な空気を水を与えるため、力強く育つともいわれています。
自然栽培の中の小さな生物=自然エネルギー
テントウムシやクモなどの小さな生物が生息できるということは、田んぼや作物に農薬が含まれていないことの証明です。
これら小さな生物も自然エネルギーが循環するために必要不可欠な生命達であり、自然栽培の中に生息しているということは必然的なことなのです。
周りの環境と調和して、土本来の力を引き出した土壌で育った作物こそ、わたしたちの体に本来必要な食べ物です。
例え有機肥料であっても、その中に家畜糞を多用すると、窒素が多くなります。
その肥料の効果は長いので、体内にも蓄積される可能性があります。
多量に摂取した場合、人間体内のアミノ酸と結びついて発がん性物質「ニトロソアシン」が生成される懸念もあります。
急激な変化を伴う症状ではないので、食が原因だとはなかなか気づかないケースもあります。
自然と調和し、バランスを保ち生命力溢れる食べ物、そして環境と共に生きる。
わたしたち自身も、心身のバランスを保ち、力強く健康に暮らしていきたいものですね。
自然栽培食物を通して、そのお手伝いをすることができれば幸いです。
私たち「ナチュラルスタイル」は自然栽培の現状や考え方を広く知ってほしいと思っています。
今回の記事が参考になりましたら、ご自由にこの記事をシェアー下さい。
【参照元】無農薬・無肥料での栽培において土壌作りがとても重要である理由