「菊池の輝き」誕生のストーリーと特徴|冨田自然栽培米
こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。
私たちがお届けしている自然栽培米の特徴の一つに「自家採種」がございます。
自家採種を続けると、元のお米とは異なった特性のお米になってきます。
今回は、冨田和孝さんに、熊本県菊池市でヒノヒカリを20年以上も自家採種を続けて生まれた「菊池の輝き」の誕生秘話やその特徴についてお話を伺いました。
冨田さんの主な栽培品種は「ヒノヒカリ」ですが20年以上もの間、自家採種を続けていくとその中に「他とは明らかに異なった稲」が出てくるようになったと言います。
自家採種を重要視していないと出逢えなかった「菊池の輝き」に関して伺いました。
「菊池の輝き」の誕生秘話
「菊池の輝き」の存在にどのように氣付いたのかを伺いました。
井田「どのようにして新しいお米「菊池の輝き」が生まれたんですか?」
冨田「うちでは、ヒノヒカリをメインで栽培しているんですけど、20年以上「種取り(自家採種)」を続けていくなかである時、変わった穂が出始めたんですね。出穂(穂が出る時期)が遅くて、段々とその種が目立つようになってきて。
なんか邪魔者だな、と感じていたんですけど “ひょっとして種取りをしていく中で現れた新しいお米かもしれない”と一握りの穂を取って栽培を始めたのがきっかけです。」
井田「出穂時期までもが異なるんですか?」
冨田「10日くらい違いますね。」
お米の穂が出る時期まで異なるとは、もう他のお米に変化している証拠ですね。
自家採種を続けていくと、一部異なった特性を持つお米が現れてくることがあります。冨田さんは、自然栽培に適したお米ではないかと思われたようです。
「菊池の輝き」誕生のお話
食味が異なる?食味検査に出してみると・・・
自然栽培を続けていくと経験則的にあっさりとした食味に変化していきます。
「ヒノヒカリ」と「菊池の輝き」を食味検査に出してみると
「ヒノヒカリ」の平均アミロース値:17.9
「菊池の輝き」の平均アミロース値:18.9
「菊池の輝き」の方がアミロース値というものが1%ほど高い、ということが分かりました。
このアミロース値が高いと「あっさり」としたお米、低いと「モチモチ」としたお米だと言われます。
「菊池の輝き」は「ヒノヒカリ」よりもあっさり系の品種に仕上がっています。
これまで実際に食べてみて、あっさりしていると体感しておりましたが、検査数値で確認してもやはり、あっさりしたお米に変化していることが確認できました。
自家採種で昔ながらのお米に辿り着く?
※冨田さんに頂いた自然栽培米おにぎり
昔のお米ほど、あっさりとした食味で出穂・収穫時期も遅めの傾向があります。
自然栽培米農家さんがよく感じている事ですが、自家採種を継続していると「昔ながらの本来のお米」に近づいているような感覚を覚えます。
どんどん食味があっさりしてくるのですね。
冨田さんが自家採種を20年以上続けてきたことで現れた品種「菊池の輝き」。
日頃から、「一粒の種から全てが始まる」と自家採種の重要性を意識しておかないと現れることのなかったお米です。
自然栽培水田で逞しく生き抜いてきたお米をぜひお楽しみ下さい。