ほったらかしではない-収穫後の冬に行っている「天地返し」とは

更新日:2021年2月21日 公開日:2020年3月23日

冬の田んぼ

冬は農閑期と言われたりしますが、農家のみなさんはその間
どのようにして、お過ごしになっているのでしょうか?

素朴な疑問ではありますが、各農家さんでその過ごし方は様々なようです。
今回は「天地返し」という冬の間に行われる土壌のお手入れについて触れてみます。

土のお手入れ「天地返し」

田起こし

お米の収穫後、その田んぼは、ほったらかしでそのまま翌年を迎える、
というわけではありません。

自然農法では、

1)深い耕耘(こううん)・・・深く耕し、肥料の蓄積層を散らし、分散させること

2)天地返しをするべし ・・・土壌表面より約20㎝以上、下にある肥料の蓄積層を掘り起し日光や風雨に晒すこと

とされています。

「天地返し」をすることで、残留肥料が分散し土壌微生物も活性化され
翌年の栽培に備えることができます。

天地返しをやることによって・・

天地-返し

比較的時間の取りやすい冬にできる作業でもあり、土の上下を返します。
土壌を掘り起こし、細かく砕くことはしないで
肥料蓄積層の部分を地表面に出し、日光や雨風にさらします。

土を反転させることで有機物は下層へ※すき込まれ、分解が促進されます。
下層にあった土が上層になり、空気にさらされることで
微生物が活性化し、乾土効果を得ます。(※肥料や堆肥、緑肥などを加えながら耕すこと)

ただ、自然農法や自然栽培実践者の方でも、
天地返しをする方としない方がいらっしゃいます。
それについては、生産者さんの考え方や田んぼの土質などによっても異なるためです。

天地返しによって攪乱(かくらん)された土は、表面がボコボコになるので
その土自体に複雑な環境ができて、微生物たちが棲みつきやすくなります。
これは、土壌環境が豊かになることと同意義とも言えます。

また、微生物たちにとってストレスを生むことになりますが
このことが、かえって微生物に活力を与えることにもなります。

完全なるストレスフリーよりも、適度なストレスは成長や活力源になる、という例ですね。

おまけ:農家さんの越冬いろいろ

アンケート

その他、色々な農家さんの農閑期の過ごし方アンケート、なるものがありましたので
付録してみます(笑)(一部抜粋、編集済)

・「冬はスキー講師です。そこで農産物の営業もやります!」
・「農業アプリの開発に時間を割いています」
・「地元でアルバイトしています。若手もいるので仲良くなって情報共有できます」
・「一年分の事務処理を一気にやる(笑)」
・「農閑期は農業機械の整備や勉強会への参加」
・「今年は台風で曲げられたハウスの補強です・・・」
・「苗床準備、定植、苗の育成、植え付け圃場準備」
・「通年であらゆる作物の栽培してます。休むとダラけてしまうので空かない計画にしてます」
・「農閑期って何?(笑)」

いつも私たちの「食」のために精を出していただき、心から感謝いたします。
本当に「ありがとうございます!」

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