味噌が昔から「医者いらず」といわれている理由とは
私たち日本人の食文化に欠かせない味噌。大昔から現在まで食べられ続けている発酵食品です。
味噌の主な原材料は大豆ですが、地方によってさまざま。
大きく分けて米味噌、麦味噌、豆味噌、調合味噌の4種類に分類されます。
白味噌や赤味噌もありますが、これは原材料の違いではなく、仕上がりの色です。
その土地の気候や風土に合わせた作り方によって、味や色に違いが生まれているのですね。
味噌の歴史は深い
味噌の起源は、古代の中国にあるといわれています。
日本には、平安時代に朝鮮半島を経由して現代の豆味噌のようなものが伝わったことが始まりです。当時は「未醤」(みそ)と呼ばれていましたが、その後「味噌」という言葉に変化し、文献に現れるようになりました。
平安時代の味噌は、そのまま食べたり、豆腐や野菜に塗ったりして食べていました。今のようにどの家庭にもある調味料ではなく、身分の高い人々しか食べられない高級な食べ物でした。また、給料や贈り物としても扱われるなど、庶民の口には入らない贅沢で貴重な存在だったのです。
鎌倉時代には味噌汁が登場。室町時代には一般庶民にも広がり、自家用の味噌造りが盛んになりました。「手前味噌」は、「自家製の味噌が一番美味しい」という意味合いからこの時代に生まれた言葉です。
戦国時代には保存できる戦陣食として、多くの武将たちが戦場に持ち込みました。伊達政宗は、仙台青葉城下で日本初の味噌工場「御塩味蔵」(おえんそぐら)を作ったといわれています。
その後、江戸時代になると味噌は徳川家康に愛され味噌文化が発展。各地の風土や食習慣などを取り入れた多様な味噌が生まれ、今日の私たちの食卓には欠かせない存在になりました。
味噌は人類を救う発酵食品ともいえるべき存在
味噌の健康パワーは昔から認められており、江戸時代には以下のことわざが生まれたほどです。
・みそ汁は朝の毒消し
・みそ汁一杯三里の力
・みその医者殺し
・着物、質に入れてもみそを煮ろ
・みそで呑む一杯、酒に毒はなし
昔から味噌は「医者いらず」と言われたほど私たちの健康的な食生活を支えてきました。
では具体的に、どのような栄養が含まれているのでしょうか。
味噌には、生命を維持するために不可欠な必須アミノ酸8種類がすべて含まれています。
医学的な観点からも、味噌の効能について研究成果が多く発表されています。主な効能は以下です。
①がんの発生リスクを抑える
味噌に含まれるイソフラボンやトリプシンインヒビターの働きが、がんの予防に役立つといわれています。
②コレステロールの上昇を抑える
大豆油に含まれる有効成分のリノール酸と大豆レシチンの働きによりコレステロールが抑制され、動脈硬化などを防ぐといわれています。
③老化を防止する
抗酸化作用のあるビタミンEやサポニンによる抗酸化作用で、老化を防ぐといわれています。
④生活習慣病を予防する。
そのほかのアミノ酸の作用による消化促進やリノール酸による美肌維持、糖尿病や高血圧などの生活習慣病予防が期待できます。
日本人に心臓病の疾患が欧米に比べて少ないのは、味噌汁を代表とする大豆食品を食べているからと唱える医者もいます。
長期にわたって保存のきく味噌。
私たち人類の健康を支えている万能調味料ですね。
参考:農林水産省「日本の食文化に欠かせない「発酵」の世界」
参考:厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査報告」
参考:健康的日本食における味噌の役割
味噌は幅広いメニューに活躍する隠れた逸材
味噌の料理ときくと、真っ先に思い浮かぶのが味噌汁ですね。
中に入れる具材もさまざまあり、和食には欠かせない汁物です。
しかし、味噌は他にもたくさんのメニューに活躍します。
例えば、大根やこんにゃくに添える【味噌田楽】。甘辛い味噌が、素材の味を引き立てます。
挽肉をくわえて煮れば、それだけで一品のおかずになる肉みそも美味しいですね。
鯖の味噌煮や西京焼き、味噌煮込みうどんなどにも使われます。
日々の食生活に味噌を上手に取り入れ、健康的な体作りをしていきましょう。
私たち「ナチュラルスタイル」は自然栽培の現状や考え方を広く知ってほしいと思っています。
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【参照元】味噌が昔から「医者いらず」といわれている理由とは