味噌が昔から「医者いらず」といわれている理由とは
私たち日本人の食文化には欠かせない味噌。
大昔から現在まで食べられ続けている発酵食品です。
味噌の主な原材料は大豆ですが
地方によってそれは様々。
大きく分けて米味噌、麦味噌、豆味噌、調合味噌の4種類に分類されます。
白味噌とか赤味噌ともよく聞きますが
これは原材料の違いではなく、仕上がりの色です。
その土地の気候や風土に合わせた作り方によって
味や色に違いが生まれているのですね。
味噌の歴史は深い
味噌の起源は、古代の中国にあるといわれています。
日本では、平安時代に初めて「味噌」という文字が文献に現れました。
この頃の味噌は、今のように調味料として使うのではなく
食べ物につけたり、なめたりしてそのまま食べていました。
また、地位の高い人の給料や贈り物として扱われるなど
庶民の口には入らない、贅沢で貴重な食べ物だったのです。
その後、鎌倉時代には味噌汁が登場。
室町時代には保存できる戦陣食として、多くの武将たちが戦場に持ち込みました。
その後、味噌文化は大いに発展し、私たちの食卓には欠かせない存在になりました。
味噌は人類を救う発酵食品ともいえるべき存在
味噌は体に良いとはよく聞きます。
昔から、味噌は「医者いらず」と言われているほど
味噌は私たちの健康的な食生活を支えてきました。
では具体的に、どのような栄養が含まれているのでしょうか。
味噌には、生命を維持するために不可欠な必須アミノ酸8種類がすべて含まれています。
医学的な観点からも、味噌の効能について研究成果が多く発表されています。
主な効能は以下です。
①がんの発生リスクを抑える
味噌に含まれるイソフラボンやトリプシンインヒビターの働きにより
胃がん、肝臓がん、乳がんの予防に効果があるといわれています。
②コレステロールの上昇を抑える
大豆油に含まれる有効成分のリノール酸と大豆レシチンの働きにより
コレステロールが抑制され、動脈硬化などの予防します。
③老化を防止する
抗酸化作用のあるビタミンEやサポニンが
細胞の酸化を防ぎ、老化を防止します。
④生活習慣病を予防する。
そのほかのアミノ酸の作用による消化促進やリノール酸による美肌効果
糖尿病や高血圧などの生活習慣病予防が期待できます。
日本人に心臓病の疾患が欧米に比べて少ないのは
味噌汁を代表とする大豆食品を食べているからと唱える医者もいます。
長期にわたって保存のきく味噌。
私たち人類の健康を支えている万能調味料ですね。
味噌は幅広いメニューに活躍する隠れた逸材
味噌の料理ときくと、真っ先に思い浮かぶのが味噌汁。
中に入れる具材も様々で、和食には欠かせない汁物です。
でも、味噌汁だけでなく、他にもたくさんのメニューに活躍します。
例えば、大根やこんにゃくに添える【味噌田楽】。
甘辛い味噌が、素材の味を引き立てます。
挽肉をくわえて煮れば
それだけで一品のおかずになる【肉みそ】も美味しいですね。
【鯖の味噌煮】や【西京焼き】にも使われます。
日々の食生活に味噌を上手に取り入れ
健康的な体作りをしてゆきたいですね。