熊本県菊池市はなぜ米所と呼ばれているのか?その理由はアレに!
現在日本に存在するお米の品種の数は、およそ900あります。
そのうち、私たちの食卓にのぼる主食用のお米は、290種ほど。
米は、北は北海道から南は沖縄まで
日本全国で作られています。
美味しいお米の産地として有名な、いわゆる“米所”も
全国各地にあり、市場に多く流通するブランド米を生産しています。
“九州のヘソ”ともいわれる熊本県も
昔から美味しいお米が作られてきた米所として有名な地域です。
なぜ、熊本県が米所と呼ばれているのか。
その秘密は“水”にあったんです。
<目次>
美味しい米を育むのに必要な“水”がすごい熊本県
“火の国熊本”と呼ばれる熊本県は
“水の国熊本”ともいえるほど、清らかで美味しい水が湧き出る地域です。
環境省が選定する名水地は、全国トップの8箇所。
県内各地には、1000箇所以上の湧水地があります。
さらに地下水も豊富に湧き
水道資源としては、8割に依存しています。(全国平均は2割)
蛇口をひねればミネラルウォーターが出る。
熊本県民の暮らしを支えている水は
熊本県の地形が、様々な自然条件に恵まれているからこそ生まれているのです。
この恵まれた水源は、熊本県の農業をさかんにしてきました。
2000年前から米が作られていた菊池川流域
熊本県菊池市は、昔から美味しいお米を生産している
全国でも有数の米所です。
菊池を含む菊池川流域に
歴史的な古墳や城、棚田など数多くの史跡が残っているのです。
これらの史跡から
米作りは2,000年前から行われていたと考えられています。
また、菊池川の河口にある玉名市には
1600年頃に米の集積場が設置され、重要な商港として栄えていました。
菊池川は、九州で10番目の長さと言われる一級河川です。
阿蘇山の麓から流れ出し
現在の菊池市、山鹿市、和水町、玉名市を通り、有明海に流れ込んでいます。
この川の水が、美味しいお米を育んできたのですね。
お殿様にも献上されていた熊本のお米
熊本県菊池市で作られていたお米が
どれほど美味しいお米だったかというと
昭和初期に出版された「肥後米券社史」にそのことが記されています。
そこには、当時の肥後米が
高い評価を受けていたことがわかる一文が記されているのです。
江戸時代の肥後米は、将軍が食す献上米として有名なお米でした。
さらに平民の間でも寿司米として大切に扱われ
肥後米に匹敵するお米はないと言われるほど、高い評価を受けていたのです。
平成29年には、菊池川流域の
「二千年にわたる米作り」のストーリーが日本遺産に認定されました。
平成25年には、国連主催の“生命の水”において
最優秀賞(水管理部門)を受賞しました。
清らかで美味しい水だからこそ自然栽培米を育てることが出来る
稲は、夏の暑い日には、一株あたり300gの水を吸います。
収穫するまでの一生の間には、一株あたり20㎏もの水を吸うのです。
100平米の田んぼあたり、年間400トンもの水が必要となります。
稲は、水で成長しているといえます。
清らかな水が美味しい稲を作るのは
いうまでもありません。
自然栽培は、無農薬です。
成長を促す肥料も使いません。
従って、環境を汚すことのない
綺麗な水が必要です。
熊本の、清らかで美味しい水だからこそ
自然栽培米を育てることができるといえます。