丹波の黒豆が「黒い○○○」と呼ばれている理由とは
縁起担ぎの料理として
お正月のお節には欠かせない黒豆。
「マメに働く」「マメに暮らせる」
といった語呂合わせがあります。
ふっくらツヤツヤの黒豆の甘露煮は
箸休めにもちょうど良い美味しさですし
来客のお茶受けにもぴったりです。
でも黒豆は、お節以外で食べることは
ほとんどの家庭であまりないと思われます。
調理に少し手間がかかる上に
特に子どもは、苦手とする傾向があるからです。
でも、黒豆は栄養も豊富ですし
東洋医学においては様々な疾病に効果があるとされ
昔から重宝されてきた食材です。
黒豆が持つ健康パワーと
家庭でも簡単にできるアレンジレシピをについてご紹介いたします。
「黒い〇〇〇」と呼ばれている丹波の黒豆
一言で黒豆と言っても、地方によって様々な品種があります。
中でも有名なのが、丹波の黒豆です。丹波黒とも呼ばれています。
丹波の黒豆は、丹波地方で古くから栽培されてきた黒豆です。
現在では、西日本の主流の黒豆となっています。
丹波の黒豆の特徴は、何といってもその大きさです。
一般的な黒豆と比べると、約4倍もの大きさです。
黒豆は、粒が大きいほど「縁起が良い」とか「景気がよくなる」といわれているので
丹波の黒豆は縁起物として重宝されてきました。
大きさだけではありません。
煮ると、ふっくらとツヤツヤ輝き
独特のコクや甘みに加え、濃くて深い味わいがします。
これらの特徴から、丹波の黒豆は
「黒いダイヤ」とも呼ばれているのです。
丹波の黒豆を、無農薬・無肥料で作る熊本県の冨田さん
丹波の黒豆は、その大きさと美味しさから
「黒いダイヤ」とも呼ばれ
あの人気漫画「美味しんぼ」にも登場した黒豆です。
でも実は、丹波の黒豆は
天候に大きく左右されるデリケートな品種なので
栽培が難しいといわれています。
さらに、栽培期間も長く
一般的な黒豆が70日ほどかかるのに対し
丹波の黒豆は、約100日ほどもかかります。
しかも、機械を使用すると
キズや割れが多くなってしまうという丹波の黒豆。
一つ一つ丁寧に手間暇をかけて育てなければなりません。
熊本県菊池市で、40年に亘り安心安全の食を追求している冨田親由さんは
丹波の黒豆を、無農薬・無肥料の自然栽培で育てています。
冨田さんは、収穫後の丹波の黒大豆を、天日に干して乾燥させます。
その後、一粒一粒、黒大豆の状態を見て選別していきます。
デリケートな黒豆だからこそ
こうして時間をかけ、丹念に育て上げられる自然栽培は向いている栽培方法といえます。
冨田さんの黒豆は、無農薬・無肥料なので
どなたでも安心してお召し上がりいただけます。
煮豆だけじゃない!黒豆の幅広い活用術
黒豆は、お節にだけ活躍する食材だとお思いの方は、多くいらっしゃることでしょう。
でも、黒豆は煮豆以外でも美味しく食べられます。
注目の食べ方は、黒豆茶。
お湯を注ぐだけで飲むことができる市販のものもありますが
生の状態の黒豆からでも簡単に作ることができます。
フライパンで煎った黒豆に
お湯を注ぐだけでできてしまうんです。
黒豆に含まれる代表的な成分、アントシアニンは、水に溶けやすく熱にも強いので
黒豆茶にすると、効率良くとることができます。
このほかに、カリウム、カルシウム、鉄分といったミネラルやビタミンも含まれます。
これらが溶け出した黒豆茶は、血流を促す作用もあるので
冷えやむくみなどにも効果が期待できます。
残った黒豆は、柔らかくなっているので
そのままサラダに合えたり、お菓子に加えて楽しむことができます。
煮豆にするとき、下ごしらえで沢山でる黒い煮汁。
この煮汁も、お湯や水で薄めてそのまま飲むことができます。
黒豆の煮汁には、喉の粘膜を潤す作用があるので
咳や痰などによる炎症を防ぐ効果が期待できます。
寝る前に飲むと体が温まり、リラックスして眠りに就くことができます。
温めた煮汁にミルクを加えれば、黒豆ラテにもなります。
市販のココアを加えれば、甘すぎず香ばしい大人のココアに早変わり。
黒豆を買ったものの
お節以外で使い道がなく余ってしまった…
という方は、このように、健康にも良いアレンジレシピを是非お楽しみください。